2周年を迎えて

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当HPを開設して2周年を迎えることができました。
この1年を振り返ってみるといろいろなことがありました。

僕自身に関しては、去年とは比較にならないくらい仕事が忙しくなり、HPの拡充はままならなくなり、服用体験記と今日の一言の更新のみに終始してしまいました。
当HPの方向性は開設当初とほとんど変わっていませんが、数多くの方々に訪問して頂き、さまざまな反響を頂いております
1999年末には僕がSSRIの章を担当した「薬ミシュラン」という本が出版されました。
周囲を見渡してみると、表面的にはあまり変わっていないような感じを受けます。
1999年はあっけないほど何事も起こらず過ぎていき、2000年問題はほとんど起きずに2000年代に突入しました。
相変わらず日本は不景気で、バブルの頃が遠い時代のように感じられます。
日本でのSSRI、SNRIの発売に関しては、ルボックス以降、パッタリと途絶えてしまいました。

しかし、僕の目にはこれまで見えていなかった、僕らの心の闇の部分が見えてきたような気がします。
当HPを始める前は僕は一人でした。
自分一人が苦しんでいて、なんでみんなはあんなに楽しそうなのだろう、と羨望と嫉妬と憎悪と諦念の感情を持て余していました。
しかし当HPを始め、読者の皆さんの掲示板への数多くの書き込みから、日本中で、いや世界中で老若男女を問わず、さまざまな状況の中で心の病で苦しんでいられることを実感しました。
数多くの特殊な事件が起きていますが、これも心の闇と無関係ではないでしょう。

密かに僕は、2000年代は心の時代ではないだろうか、と感じています。
1900年代に入って科学は急速に進歩し、僕らは物質的な豊かさを手に入れることができました。
科学は加速度的な発展を継続しており、いつの日にか遺伝子は解明され、倫理上の問題を踏み倒しクローン人間は作られ、コンピューターは僕らの生活を支配し、食料はより効率的に生産され、無限のエネルギーが供給される、といった時代がもうすぐそこに来ているように思えます。
僕らは何もしなくても、全ては全自動で生産され、僕らは消費するだけの存在になるのかもしれません。
そうなった時、僕らはこれまで逃げ回っていた究極的な次の命題に追いつめられることになるでしょう。
「何のために生きているんだろう?」

その時に僕らはどのような対処ができるのでしょうか。
心に対する研究は、急速に進歩する科学と比較すると進歩がほとんどない、と言っても過言ではないのではないでしょうか。
紋切り型の心理学は昔の環境の人間を対象とした総論で旧態依然としており、複雑化した環境に生きる現在・未来の個々人を判断するには既に古くなっているように僕には思えます。
脳に関する研究は、20世紀前半にカナダのペンフィールド教授がてんかん患者の脳に直接、電極を差し込む治療を兼ねた実験によって格段に進歩しましたが、倫理上の問題から人間の脳を実験することはできなくなり、その後は猿などでの実験がなされていると思いますが、それも脳の複雑さから考えれば、まだまだほとんどわかっていない、と言ってもいいでしょう。
そもそも、心と脳の関係でさえ現在でも明確になっていません。
心の薬も徐々に開発は進んでいて、ある一定の効果は上げていますが、肉体的な病気に対する薬のように明確な反応が現れないことが多く、まだまだこれからの領域でしょう。
皆さんもよくご存知だと思いますが、現在心の問題に対して打てる手だては非常に少ないのが実態です。

そのような、物質的には過剰なほど満たされてはいるが精神的には非常に貧弱な、アンバランスな時代を生き抜く指針を模索する必要があるのかもしれません。
だからといって、3年目に向けて特に何かを始めよう、とは考えていません。
鬱病者は、やる気になった時が最も危険な兆候なものです。
従って、3年目もこのマンネリを継続する予定です。
もしかしたら、マンネリが鬱を治す最良の治療薬なのかも知れませんが

なんとも尻切れトンボのような文章になりましたが、今後ともご愛顧の程よろしくお願いします。


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