PROZACの詳細説明

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このページではPROZAC(プロザック)の詳細説明をします。最近ではPROZACについての情報がテレビや雑誌、インターネット上で盛んに取り上げられいますが、センセーショナルな取り上げ方であったり、また逆に完全に否定的なものであったりしていて、正確かつ冷静な情報があまり見受けられません。
ここでは、中立的な立場でPROZACの真の姿を説明します。

  1. PROZACってなに?

  2. PROZACってなんでそんなに注目されているの?

  3. PROZACにも弱点はあるよ

  4. PROZACを見てみたい!!

  5. PROZACの効能

  1. PROZACってなに?

    PROZAC(プロザック)というのは、SSRIと呼ばれる新世代の抗鬱剤(こううつざい)の一群の中の一つで、Eli Lilly社が1988年にアメリカで認可され発売後に爆発的な人気を呼び、世界中で2000万人以上の人々が使用していると言われているクスリなのだ。アメリカでは重症の鬱病患者にだけでなく、「落ち込んでいる」「気分が重い」といった軽い患者にも処方され、"魔法のクスリ"として多くの人々が服用している。また、厳しい競争社会を生き抜くビジネスマンが「明るくなる」「積極的になれる」「自信が出てきて、友人が増える」という評判から服用することもあるようだ。


  2. PROZACってなんでそんなに注目されているの?

    PROZACは以下の3点においてPROZACは他の抗鬱剤とは全く異なると言っても過言ではない。

    1. 副作用が少ない
      これまでの抗鬱剤は「非常に体がだるくなる」「口・喉が渇く」「便秘になる」といった副作用があり、これがかなり重い副作用をもたらした。そのため重度の鬱病患者以外には効果に対して副作用が重かった。
      しかしPROZAC副作用が軽微なため、軽度のうつ病患者に対しても用いられるようになったのだ。

    2. 依存症になりにくい
      脳内でのPROZACの働きは急激に変化を起こすのではなく、マイルドに時間を掛けて効果が現れるように作られている。分かりやすく説明すると、飲み始めてからはじわじわっと効き始め、気が付いたら不安が解消されていた、という状態になる。また飲むのをやめると徐々にその効き目が薄れていき、いつの間にか元の自分に戻っていたという状態に戻る。
      つまり、飲んでも飲まなくても急激に精神的な変化があるわけではないので、覚醒剤や麻薬のようにクスリが切れたらすぐにまた打つ、といった依存症(分かりやすく言えば中毒)になりにくいのである。


    3. これまでの抗鬱剤に比べて素早く効く
      これまでの抗鬱剤は効き目が現われるまでに最低2週間〜1ヶ月はかかり、しかも副作用は飲み始め当初から現れる、という特徴があった。このため、副作用に耐えながら根気強く飲む続ける必要があった。
      実はこの効き目がなかなか現れない、というのが患者にとってはショックで、期待度が大きいだけになかなか効き目が現れてこない焦燥感、失望感から服用を止めてしまう場合が多い。
      しかしPROZACは1週間〜2週間で効き始めるので、割と早くその効き目を実感することができ、飲みつづけることができるのだ。


  3. PROZACにも弱点はあるよ

    PROZACは確かに革命的な抗鬱剤と言えるが、しかしいくつかの弱点も持っているのだ。
    その弱点を列挙してみよう。

    1. すべての人に効くわけではない
      PROZACに期待し過ぎて、いざ服用してみると自分には全然効かない、ということでがっかりしてしまうケースが実は結構あるようだ。(僕も最初はそうだったんだけど...)
      あるデータによると、70%の人には効くが30%の人には効かない、とも言われている。
      どの薬でもそうだが、すべての人に効くということは有り得ない、ましてやPROZACはデリケートな脳内物質を調整する薬であるわけだから、人によって効き方が千差万別であるのは当然なのだ。

    2. 副作用がある

      これまでの抗鬱剤ほど重いものではないが、PROZACにも確かに副作用はある
      主なところでは、飲み始めて数日後から1週間後くらいに突然不安感、無気力、焦燥感といったうつに近い症状が出ることがある。これはそのまま飲み続けていると数日で治り、本来のPROZACの効果が現れるので、そんなに心配する必要はない。(僕も体験したが、僕の場合は何もする気がなくなり、虚無感に苛まれた。詳しくはPROZAC服用体験記を参照のこと)
      また、食欲不振、吐き気、疲労感、頭痛といった症状や性欲減退、インポテンツといった症状が出る場合もある。
      日本では個人輸入によってPROZACを入手するしかなく、全ての責任を各個人が負わなければならないので、副作用については熟知した上での服用が望まれるところだ。

    3. 今の自分にリアリティーを感じなくなる場合がある

      1996/12/16に放映されたNHKスペシャル「脳内薬品が心を操る」の中で紹介されたアメリカの女性は、以前はうつに苦しんでいたのだが精神科医にPROZACを処方され服用し始めた。PROZACを飲んでいる間は自分の中の不安感、悩みなどが拭い去られ、平穏な精神状態に至った。しかしあまりにも悩みがなくなってしまったために、新しい自分にリアリティーが感じられなくなり、PROZACをやめ以前のうつに苦しんでいた自分に戻ったというのである。また、この女性は今後もPROZACを使用するつもりはないと断言していたのだった。
      僕もPROZACを数回服用したが、確かに不安感や悩みはなくなるのだが、それと同時に感情の起伏が乏しくなった、という似たような体験をしたことがあり、PROZAC=HAPPY、幸福に結びつくとは言えない場合もあるので、「PROZACで幸せになれる」などと言っているセンセーショナルな情報には注意した方がよい。


  4. PROZACを見てみたい!!

    PROZAC GALLERYを見て下さい。

  5. PROZACの効能

    PROZACには次の効能がEli Lilly社から報告されている。

    1. 成分
      1capsule当たり塩酸フルオキセチン 20mgを含有

    2. 適応症
      鬱病−鬱病症状の治療。
      強迫性障害−強迫性障害症状の治療。
      神経性拒食症−神経性拒食症に関連する過食および下痢症状の緩和。

    3. 禁止事項
      フルオキセチンに対する過敏症−PROZACは重い腎不全(IFG 10ml/分以下)に使用してはならない。
      モノアミノオキシダーゼ抑制剤(MAO抑制剤)−モノアミノオキシダーゼ抑制剤による治療を開始する場合には、PROZAC使用停止後少なくとも5週間を置くことを要する。併用したり、フルオキセチンの服用を停止してすぐにモノアミノオキシダーゼ抑制剤を使った場合、深刻な影響(異常高熱、硬直、ミオクローヌス、自律神経不安定、幻覚や昏睡にいたる可能性のある極度の興奮)などの症状が現れることがあり、死亡する場合もありえる。悪性神経弛緩症候群が現れることもある。

    4. 副作用
      無力感、発熱、吐き気、下痢、喉の渇き、食欲不振、消化不良、嘔吐、偏頭痛、イライラ、不眠、眠気、不安感、ふるえ、めまい、疲労感、性欲減退、痙攣、軽躁病、強迫観念、運動障害、悪性神経弛緩症候群に類似した発作、異常発汗、性交不能。
      次のような影響がフルオキセチンの服用に関連して報告されているが、はっきりした因果関係は解っていない。
      再生不良性貧血、脳血管故障、言語障害、溢血斑、レフレル症候群、胃腸出血、プロラクチン過剰血症、免疫血球性貧血、脾臓炎、自殺願望、血小板欠乏症、血小板減少性血栓性紫斑病、服用停止後の膣内出血、暴力的態度。まれに血液中のナトリウム濃度の異常低下が見られることが報告されている。(血清中のナトリウムが10mモル以下の場合を含む)このような症状は遡逆的で、服用停止によって消滅するものとされる。




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